まずは、COVID-19感染の影響を受けられた皆様には心よりお見舞い申し上げます。
このたび、第23回日本在宅血液透析学会の開催担当をさせて頂き光栄に存じます。本来であれば今年の10月末日に開催の予定でしたが、COVID-19感染拡大に伴い5月に開催されました理事会で次年度の延期についてご承認を頂き晴れて令和3年9月18日、19日に開催を予定とさせて頂きました。
本学会は「在宅血液透析研究会」の名称を改め、令和2年4月より「一般社団法人日本在宅血液透析学会」として政金理事長のもとにスタートしました。総会開催については11月29日にWeb開催され新理事のもとに新たな事業の計画が報告され、一丸となってこの療法を進めてまいります。
我が国は高度成長とともに慢性腎不全治療も日進月歩の勢いで成長してまいりました。現在、国内には4500を超える透析治療可能な施設が存在しております。しかし、患者さんの生活スタイルにあわせた透析がなされているのかは甚だ疑問に感じるものがありました。その疑問を私たちに投げかけてくれた1人の医師の言葉がきっかけで私どものセンターではこの在宅血液透析という治療に力を注いで来たわけであります。在宅血液透析が開始されるまでには様々な議論がなされて開始されましたが、蓋を開けてみれば、薬剤投与量は減少し、治療回数制限が無いことにより制限していた食事が緩やかになり、貧血、血圧も改善されてまいりました。一方で使用する薬剤や物品の配送、パートナーが居ないときには治療が行えない等の問題も出てまいりましたが、我々の施設の皆様、患者さんの協力を頂き今までに継続してきたわけであります。我々日本人は完ぺきな形を求めてまいりますが、この自宅で行う治療には個々の顔があるのと同様に、患者さんの家族と同様の形が存在します。本来自由であるべき療法選択には制約もあるかも知れませんが、少なからず好きな時間に自宅で好きなことをしながらの治療は長く付き合って行くことが出来て、良い結果が出るものであると感じました。米国では既に1万人を超える方々がこの治療法の恩恵に預かっています。一方で我が国では700名程度の方々が行っていて伸びはさほどない状況で留まっております。タイトルにも掲げましたが目指せ10000人安全で安心できるこの治療法を皆様にご理解頂き、我が国の在宅血液透析を普及させてまいりたいと存じます。
第23回日本在宅血液透析学会はCOVID-19感染の現状ではWebを利用した開催を予定しております。日ごろ疑問に思っている事の発表等について、この機会に多くの演題発表を頂き我が国の在宅血液透析を推進させることが出来れば幸いです。
開催までの状況などが変わりましたらその都度情報をアップして参りますのでご覧頂くようお願い申し上げます。
大会長 大濵 和也
第23回日本在宅血液透析学会
(群馬パース大学 保健科学部 臨床工学科)